私たち夫婦は子供がおらず、晩年はいぬを飼いたいと思っていました。私は血統書付きのかわいい小型犬がいる生活を夢見ていましたが、ひょんなことから主人がテレビで多頭飼いの現実や、心無いブリーダー特集のテレビを見て、保護センターで保護されている犬の存在を知りました。
衝撃を受けた主人が「犬を飼うならうちで保護犬を引き受けよう」と言い出したのがきっかけでした。それからというもの関東の保護センターを回りある施設で、とても怖がりで来客に寄ってもこない保護犬と目が合い、我が家にやってきたのが小鉄です。小鉄は保護される前の記憶からか本当に怖がりで、知らない人には吠えながら後ずさり。しまいには自分の小屋に隠れてしまいます。人がいるところを好まず散歩もあまり好きではないので、すぐに座り込んだり、私が近所の方とお話していてもすぐに家へ帰ろうとします。
そんな小鉄は、家で過ごす時間は至福のようで、私たち夫婦にはまるで安心している姿を見せてくれることを思うと、とってもかわいく愛おしい存在です。まだ1歳ですので家では活発で、いたずらして私に怒られることもあります。
そんなときはしゅんとして自分の小屋に帰り、しばらくするとまた様子を見ながら甘えてくる小鉄は保護犬ならではの唯一無二の犬なのです。